「あかりをつけましょぼんぼりに～」の歌が流れ始める季節ですね。
3月3日は五節句のひとつである上巳の節句（桃の節句）、ひな祭りの日です。
私は、ひな祭りになにかした記憶はあまりないのですが、おばあちゃんが出してくれるひな壇におびえていたことと、ひなあられ・ひしもちが好きでなかなかの量を食べていた記憶はあります。

ひな人形を飾ったりして女の子の成長などを願う日とされていますが、その由来やはじまりについて紐解いていきたいと思います。

「上巳」とは

上巳は“じょうし”または“じょうみ”と読みます。
桃の節句やひな祭りはよく耳にしますが、上巳の節句はあまり耳にしませんよね。
上巳の“巳”という漢字は、干支でいうヘビです。
ヘビは脱皮して生まれ変わる・成長するということから、旧暦3月最初の巳の日に穢れ祓い清める行事をしていたそうです。
当初は日にちを固定せず最初の巳の日としていましたが、年によりずれてしまうため3月3日に固定され、現在に至ります。
ちなみに旧暦の3月3日は今でいう4月なのですが、そのまま3月3日が引き継がれています。

ひな人形のはじまり

その当時、穢れを祓う方法として、草木や紙で作った人形（ひとがた）で自分の身体を撫でて厄を移した後、川に流していました。この文化はのちに「流し雛」として残っていきます。
また、その昔には「ひいな遊び」、今でいうおままごとのようなお人形遊びがありました。“ひいな”とは小さい・かわいらしいという意味があります。
この2つのことが少しずつ合わさり、現在のひな人形に繋がったと言われています。

ひな人形それぞれの役割

結婚式の場面を表現したひな人形には総勢15人の登場人物がいます。

最上段：親王（内裏雛）

親王（内裏雛）は男雛（お殿様）と女雛（お姫様）の一対を指します。
童謡のうれしいひなまつりの曲中に「お内裏様とお雛様 二人並んですまし顔」という歌詞がありますが、これはお内裏様＝男雛、お雛様＝女雛ではありません。前述にも書いた通り、男雛と女雛の一対でお内裏様です。本来の意味としては、お内裏様＝男雛・女雛、お雛様＝ひな人形全体の総称です。

二段目：三人官女

三人官女は親王の生活のサポートはもちろん、礼儀作法の面でもサポートしており、優秀な女性のみがなれたそうです。三人官女はそれぞれお神酒入れるための道具、提下・三方・長柄銚子を持っています。ちなみに業者によって異なる場合もありますが、三人官女の真ん中で座る女性は既婚のためお歯黒で眉毛がありません。

三段目：五人囃子

結婚式を音楽で引き立てる五人囃子は、まだ元服（成人）していない子どもです。五人中四人がそれぞれ太鼓・大鼓・小鼓・笛を持っています。また楽器を持っていない一人は謡（うたい）と言われ、その名の通りうたいます。

四段目：随身

親王の護衛を担っている随身は二人、右大臣と左大臣がいます。それぞれ若者と老人で、男雛のほうには若者を、女雛のほうには老人を置きます。これは女雛のほうに若い男を近づけないという考えもあったそうですよ。随身は護衛であるため左手に弓・右手に矢・左脇に刀・背中には背負い矢を持っています。

五段目：仕丁

仕丁の三人は主に宮廷の雑用係で、この登場人物たちのなかで唯一の庶民です。三人はそれぞれ掃除道具もしくは外出時の道具を持っています。 （京雛と関東雛で異なっています）
掃除道具の場合はほうき・ちりとり・熊手、外出道具の場合は、台笠・沓　台・立傘です。
ちなみに、台笠は高位の人が外出する際にもつ飾り傘、沓台は靴を置く台、立傘は柄の長い大きな傘のことです。

 

なかなかボリューミーにお届けしましたが、まだまだ調べると深いところまであるので興味のある方はぜひ！
いろいろ知ってからひな人形を見てみると、より楽しめるかもしれませんね。

たのしいひな祭り

ひな人形の飾りはもちろん、散ら寿司などをはじめとする美味しいご飯もなども是非食べて素敵なひな祭りを過ごしてくださいね。

 

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